集団走行を安全に楽しむために (管理編その②)


集団走行を安全に楽しむために 管理編の続きです。


管理編はその名のとおり、イベントを管理運営する人や、

サークルやチームのリーダーの方に向けた内容です。




前編同様、 イベント管理に関係のない人も、

四方山話のひとつとしてご覧いただければと思います。



前回の内容はコチラ
http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-27.html





イベントを安全快適に行うためには、準備段階が最も重要です。


この準備で90%以上運営作業は終了していると言っても過言ではありません。




で、当日は計画にそって進行するわけですが、


ハッキリ言って気の知れた仲間で島のような走りやすいところならば、

40台くらいで走ってもそんなに管理はむつかしくありません。





ですが、初心者からベテランまでいる雑多な集団で、

そもそも集団走行自体あまり経験がない人が多く参加する場合、


管理にそれなりの工夫が必要になります。







それではイベント当日の流れにそって順に説明しましょう。






【ブリーフィング】



集合場所で挨拶を兼ねて、当日のスケジュールと注意点を説明します。


このブリーフィングも、詰め込み過ぎて長々としゃべっては参加者の記憶に残りません。


当日全体の大まかなスケジュールと次の休憩ポイントまでの説明にとどめ、

そこから先の詳細や注意点は休憩ポイントごとに説明するとわかりやすいです。




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また、ハンドサインやキープレフトなど、

全体の集団走行のマナーに関することは、簡単でも必ずやっておきたいことです。


おなじみのメンバーが多ければ、少々ハショッても大丈夫ですが、

初参加の人が多ければ、それだけ丁寧にする必要がありますね。





あと余談ですが、 参加者同士は初対面ということが多いものです。


自己紹介の時間を設けるのが一番いいのですが、

たくさんの人の名前を いきなり覚えられる人は少ないと思います。


そこで我々のイベントでは、10人以下なら各自自己紹介、

それ以上ならリーダーが出欠をとることで替えています。




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過去の経験からもっとも有効なのは、 各自 名札 を用意してもらうことです。


もちろん、ニックネームでかまいません。

これをイベント中、サドルのうしろなどにつけてもらうと、

今後の交流にも役に立ちます。




というのも、せっかくイベントで仲良くなったのに、

名前がわからないままで次に会った時に気まずい思いをした・・



という経験をする人が多く、 あれは誰だったのか教えて欲しいなど、

問い合わせがくることもしばしば。 ^^;


名札は有効なので、是非おためし下さい。









【集団走行】



ブリーフィングが終了したら、いよいよ走行開始です。





イベントでの走行方法は、大きく分けて 二通り あります。



ひとつは次の合流ポイントまで、各自好きなルート、好きなペースで走行 してもらう方法。


この方法は管理が楽なうえ、 参加者もお互いに気をつかうことなく、

自由に楽しめるのが最大のメリットです。


また、比較的交通量の多い区間も分散してくれるので助かります。





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ただし参加者が次の合流ポイントまでの道を知っていることが前提になり、

途中で誰かがトラブルにあったり、いなくなったりしても わかりにくいというデメリットがあります。


もちろん点呼自体をとらず、 途中合流も途中離脱もOKにしておけば、

管理者も参加者も気楽で自由になります。


ですが、参加者が万一深刻なトラブルにあっても、 誰も気づかないおそれがあります。

この場合は各自自己責任の意識を しっかりもってもらえることが前提になります。




また、足並みが違うことによって、運が悪ければ、

イベントなのに終始ひとりで走っていた・・  という参加者も出てきます。





以上をふまえて 自由走行パターンにする時の条件を列記すると、



①コースを熟知した常連がメインであること。

②道に不案内な人や初心者がいる場合は、

 責任をもって同行してくれるメンバーがいること。

③合流ポイントでの合流時間を明確にしておくこと。

④途中離脱の場合は、事前に申告してもらうこと。

 もしくは点呼自体をとらないこと。




などが挙げられます。

ほぼ一本道なコースや、島などでは有効な方法ですね。




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もうひとつの管理方法は、 参加者全員がひとつの集団 になって

終始ほぼ一緒に走る方法です。



この方法だとルートに不案内な参加者も迷うことなく、

安心感と 参加者同士の一体感を満喫できます。


また、管理する側も常に全体を把握できるので、

タイムスケジュールの適切な管理に加え、トラブルシューティングも迅速におこなえます。




ただしデメリットとして、 人数が多くなると車列が長くなり、

交通量の多い道などで他の交通に迷惑をかけることになります。


また、どうしても脚力の無い人に合わせたスローペースになるので、

速く走りたい人にはガマンが強いられます。





そこでこのデメリットをほぼ解消する方法をこれからご紹介します。


実はこれから説明することが、 この 管理編のメイン であり、

我々が数年かけて工夫を重ねたノウハウです。


この方法を用いれば、100台規模の大集団でも管理が可能なので、

是非お役立ていただければと思います。








まず、基本 先頭は集団全体のリーダーです。

巡行速度をコントロールしたり、交通状況に合わせて様々な指示を出します。


コースとタイムスケジュールの把握はもちろん、

大きな集団になればなるほど、集団走行管理の経験が必要です。






リーダーの次に重要なのが “しんがり” です。


しんがりは常に最後尾にいて、決して他の参加者を抜くことはありません。

なので中継ポイントなどで しんがりが到着していれば、

参加者が全員揃ったことがわかります。



このことは後ほど述べる管理テクニックにも応用されます。

先頭・しんがり

10台前後の集団なら、 このリーダーと しんがりだけで十分ですが、

それよりも参加者が多くなると、 車列が長くなって他の交通に迷惑になります。



よくブリーフィングなどで車列が長くなったら適当に車間を空けて下さいとお願いしますが、

まず誰も実践してくれません。




そこであらかじめ 5台前後をひとつの班として分け、

それぞれの班の先頭に、集団走行になれている人を班長として配置します。

班長

こうすることで重要な打合せは班長に伝えるだけでよく、

休憩ポイントごとに班長を集めるだけで、ほぼ管理ができてしまいます。


しかも各班長さんは ちゃんと決められたペースと車間を守ってくれるので、

追突や渋滞の防止につながりますし、 万一集団が千切れてしまっても安心です。




ちなみに班分けをする時は、 前の班に速い人を集め、

後ろの班になるにつれて遅くなっていくようにすると管理しやすくなります。


なので管理者は参加者の足並みをなるべく把握しておくことが肝心ですが、

初参加の人が多い場合は、ある程度走行ペースを申告してもらい、

足並みが合わない時は班を移動してもらうなどして対応します。








次に信号で集団が途切れた時、

交差点でどっちに進むか案内が必要な時、


その場でみんなで待っていては、大変時間がかかる上に、

道路上に大集団がとどまることになってしまいますね。





かといって いちいち案内看板を出すわけにもいかず、

ビックイベントでもない限り、誘導員を配置することも出来ません。


全ての班長にコースを覚えてもらうのも難しい場合があります。







そこで威力を発揮するのが ポイントマン です。




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ポイントマンは数人必要で、 常にリーダーの側にいます。


そしてリーダーの指示で交差点などにとどまって、

右左折や減速、その他の注意喚起などをおこない、


参加者全員が通過するのを見届けてから、集団の最後尾につきます。

この時、しんがりが目印として大いに役に立ってくれるわけです。

ポイントマン

誘導を終えたポイントマンは、出来る範囲でリーダーのいる先頭に戻ってもらいますが、

ムリに飛ばす必要がないように采配するのがポイントです。






ここまででお気づきでしょうが、 このポイントマンを任せられる人というのは、

走力と安全意識の比較的 高い人になります。



とても頼りになるメンバーでありつつ、

場合によっては、前に後ろに走り回るため、

一般の参加者よりも長い距離を高めの強度で走ることになります。





つまり、参加者は安心して走行することができ、

ポイントマンは、スローペースを我慢することから解放され、

存分に走力を発揮できるわけです。





ただし忘れてはならないのは、誘導するあいだ、

ポイントマンはずっと同じ場所にとどまることになります。


参加台数が増えるほど、 足並みの差が大きいほど、

誘導時間は長くなります。



真夏の炎天下での誘導、

真冬の低温下での誘導など、


体力も気力も奪われることになるので注意が必要です。








以上、大人数の集団をひとまとめにして移動する場合、



① リーダー

② しんがり

③ 班長

④ ポイントマン





これだけのスタッフがいれば、100台規模の大集団もコントロールできます。

あとは参加人数に応じて、班長とポイントマンの数を増やすだけ。





サイクリングイベントを何度も続けているうちに、

こうした班長やポイントマン候補はドンドン増えていきます。


そういう仲間が増えるほど運営は楽になり、

班長やポイントマンをお願いするたび、その人のスキルもドンドン上がっていきます。





こうしてサークル全体の安全レベルが底上げされ、

その中から新たな集団やチームが出来たり、

他の団体にシェアされていきます。






また、最初にお断りしたとおり、

今回のシリーズで書いてきたことは全て発展途上であります。



もっといい方法やアイデアをお持ちの方や団体がありましたら、

是非教えていただきたいと思います。






そうすることによって、 自転車界全体の環境が

きっと よくなっていくのですから。



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集団走行を安全に行うために (管理編その①)


集団走行を安全に行うために身につけたいこと。


数年間にわたる自転車コミュニティーやサイクリングイベントでの活動実績により、

みんなで楽しみながら切磋琢磨して築いてきたノウハウ。




全国どこに行っても役立つ情報だと思いますので、

是非参考にしていただきたい アレやコレや。





まずは自分のことは自分で行いつつ、

集団の和に上手に調和することを記した 初級編
http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-25.html



集団走行になれてきたら、まわりに気配りすることの重要性を記した 中級編
http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-26.html




そして今回は いよいよシリーズ最終章、管理編 です。







なぜ 上級編 ではないのかというと、

我々のレベルでは、全てにおいて まだまだ上級と呼べるものに至っていないと考えるからです。



では 管理編 とは何かというと、

サイクリングクラブやチームの管理者やリーダーの方、

イベントプランナーの方などに向けた内容になります。




これから書く内容は、我々が民間のサークル時代から、

最大で100台規模のサイクリングツアーも行ってきた実績に基づくものです。



ですので規模の大小に関わらず、クラブやチーム、コミュニティーなどを管理される方、

またこれからイベントを立ち上げようとされている方に是非お役立ていただければと思います。





イベントには参加する側で、 企画運営に関係がない方も、

へぇ~、こうやって作ってるんだ~  と思っていただければ励みになります。(^^)







【プランニング】



当たり前のことですが、サイクリングやイベントを企画する時は、

規模の大小に関わらず、まず計画を練らなければなりません。




参加者が少人数で気の知れた仲間であれば、 

大まかに行先を決めて、適当にノープランでもいいでしょうが、


人数が多かったり、足並みが雑多な集団になるとそうはいきません。






まず コース


どのくらいの距離を どのくらいのペースで走るか、

参加者の人数と走行レベルはどのくらいに設定するか。



スポーツ志向で駆け抜けるのか、観光などに重きをおくファンライドにするのかでも違ってきますが、

どちらにしても出来るだけ走りやすく安全で快適なコースレイアウトにしたいところです。


安全快適というのは、車や歩行者など他の交通から見ても迷惑にならないことが重要です。





交通量の多い道路や市街地走行を避けるのはもちろんのこと、


出来るだけ 分岐を少なく、 なるべく 右折をせずにすむように すると、

実際の集団走行管理が楽になります。





休憩場所や昼食は、参加人数に応じたキャパを考えること。

必要に応じて事前問い合わせや予約をすることも大切です。



あと、集合場所に一般の施設や駐車場を利用する場合や、 輪行や船など乗り物を利用する場合も、

必ず事前に問い合わせをして了解を得て下さいね。






あと参加者に女性がいる場合は、特にトイレにも気を使う必要があります。

公衆トイレなどはダメですよ。




その他、基本的によいコースはループであり、

往復になる場合は行きと帰りで違う道になるようにするといいでしょう。


特に川沿いの道などは、対岸はガラッと雰囲気が変わるものです。




あと、あくまで基本的にですが・・  を走る時は時計回り、 反時計回り にすると、

常にすぐ左側に水面があって、ロケーションがよくなります。




もちろん、コースの各所に見どころやグルメポイントがあり、

歴史や花めぐり、季節のイベントなど、 何か骨太なテーマがあると より楽しみが倍増します。


というか、ここが一番肝心なところですね。(笑)





さて、大まかなコースが決まったら、 参加人数とペースを設定します。

距離が長く、アップダウンが多いほど、自然に参加人数は少なくなります。




何人来てもいい、 誰でも参加できるファンライドを目指すなら、

基本の巡行速度は20~25km/hです。


そしてタイムスケジュールを組む時は、 1時間10km で計画するのが基本です。





かなり遅いペースに感じるかもしれませんが、

これには休憩やパンクなどのトラブル対応時間も含まれます。


また、実際に参加者が20人を越えると、

一度停まってから再スタートするまで、かなり時間がかかります。





例えば長距離やヒルクライムなど、

どうしても走破するのに一定の走力が必要な場合、


事前に巡航速度や獲得標高などを告知し、

参加者をふるいにかける必要があります。




また、同じイベントでも一般コースと健脚コースを分けて、

途中離脱と合流をうまく組み合わせれば、 走力の違う人がいても楽しめます。



が、この方法はプランニングも管理能力も、より高いものが要求されます。





あと補足としては、 船便や輪行などをプランに組み込むと、

どうしても時間がおしてしまう傾向にあります。



時間には余裕を持つことと、 遅れても一本あとにできるなど、

予定を外してもリカバリーできる対策を練っておきましょう。




昼食の予約をとって管理するだけでも、人数が増えるととても大変です。


出来れば予約しなくていいプランニングが自由度が高く 楽でいいのですが、

ドタ参、ドタキャンも含めて柔軟に対応するためには、下調べと経験がモノを言います。





あとプランニングのテクニックとして、 スケジュールを詰め込みすぎないこと。


時間が余れば立ち寄る場所とか、オプション的な部分をいくつか考えておいて、

基本は余裕を持った予定にしておくことです。



そうすることによって、 進行が早くても遅くても焦らず対応できます。



いずれにしても、まずは出来る範囲から初めて、徐々にスキルアップ出来ればいいと思います。






【試走】



コースのプランニングが出来たら、 必ず試走を行います。


試走の最大の目的は、タイムスケジュールの確認 です。



ひとりふたりで試走すると、 当たり前ですが サッサと回れてしまいます。


ところが、信号の多い区間、 曲がり角、 信号の無い道路の横断など、

実際の集団走行では かなり時間がかかってしまうポイントがあります。



そういう場所をプランニングの段階でなるべく通らないようにするのが大切ですが、

コースレイアウト上、致し方ない場合は試走の時にチェックしておきます。



また、休憩も少人数なら10分以内ですみますが、

20人を越えると あっという間に時間がすぎてしまいます。




人数が増えるほど、先頭と最交尾との間にタイムラグが大きくなり、

休憩時間も より長くとることになります。



また、勝手知ったる道であっても、 急な災害や工事などで 通行止め になっていたり、

利用しようと思っていた休憩場所やお店が 臨時休業 したり、無くなっている場合があります。




以上のことから、私たちは必ずイベント前に試走を行っています。






【告知】



タイムスケジュールを含めたプランニングができたら、

いよいよイベントの告知です。



一般的にはfacebookなどのSNSを使ってイベントトピックを立てます。

その他は会員制のメールやメッセージ、 HPやイベントサイトの利用などが主な告知方法です。





告知内容は、盛り込みすぎて長々と書いても読んでもらえません。


また、掲載するツールの仕様にもよりますが、

改行をうまく使って読みやすい空間をつくったり、

重要な項目はフォントの色や 大きさ を変えたり、

イメージが沸く写真を添付したり、


必要 最低限の言葉 で わかりやすく をこころがけるといいでしょう。




トピック例





仲間内のお気楽イベントにしても、最低限のポイントはおさえて告知したいものです。



・日にち

・集合場所

・集合時間

・参加費や参加資格が必要であれば明記

・注意事項や条件があれば明記 (雨天中止やヘルメット着用など)

・募集期限や人数制限があれば明記

・問い合わせ連絡先の明記




以上に加え、イベント名とイベント概要、 コース紹介は必須。

昼食場所や集合場所へのアクセス案内などがあれば尚親切です。


気の知れた仲間だけではなく、より交流の和を広げたい場合や、

広報的な活動を目的とされる場合は、よりキャッチーな文章やレイアウトが必須となります。





よくある告知方法の失敗例ですが、

同じ人、あるいは仲間がトピックを連立し、 何が何やら訳が分からなくなるパターン。



基本は告知トピックはひとつ。

複数のサイトや手段で告知する場合は、

ペースとなる告知トピックへ誘導するよう案内しましょう。




以上、実際の集団走行とは大分かけはなれたお話をしてきましたが、

イベント管理を順調におこなう準備は、上記の段階で90%終わっております。


あとは当日、計画にそって実行するだけ。




というわけで、ここからが集団走行管理編の実質的な説明になるんですが、

企画準備の説明だけで大分長くなってしまったので次回に続きます。




集団走行を安全に楽しむために (中級編)


サイクリングの集団走行において必要なこと、役に立つことを

初級編として紹介させていただいた前回のブログ。
 http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-25.html





初級編では主に自発的に行うことや、注意することについて触れましたが、

中級編は同行する仲間にも気を配る内容になります。



特に集団走行になれてきた人や、 

伴走を務める機会が増えてきた人にシェアしていただければと思います。




もちろん集団走行初心者の方も、初級編と合わせて参考にして下さい。








さて、前回のブログで、集団走行の最も危険な要因は、

前走車で前が見えにくいこと と書きました。



そこで サインや声出し によってそれを補うわけですが、

特に先頭を走る時に注意していただきたい事があります。






先頭や前走者との間が開いた人は、当然 前方の状態が100%見えています。

なので、つい後ろの人からは見えていないことを忘れがちになります。



特に危険なのが次のような場所。




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先頭の人からは見えていますが、

後ろを走る人には歩道が始まるのが見えません。




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前の人がサインなどを行わなければ、

突然、目の前に歩道が現れることになります。



最悪、事故につながりますね。




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ポールや看板などの障害物があったり、 

道路が急に狭くなる場所でも同じ現象が起こります。



後ろからは自分が死角になって、

前方の状況が見えにくいことを 常に意識することが重要です。








また、走行中に意味なく足を止めたり回したりを繰り返す人がいますが、

後ろに人がいる状態では、なるべく常にペダルを回すようにしましょう。




これは渋滞のメカニズムをご存じの方はおわかりでしょうが、

足を止める・・ ということは、車のブレーキランプに匹敵します。


車を運転する人なら、前の車がひんぱんにブレーキを踏むと、

非常に走りづらいことをご理解いただけると思います。




前の人が足を止めると、 後ろの人は減速するのかと思って

無意識に速度が落ちます。


そのわずかな減速が後続につながっていき、

後ろの方では渋滞がおこり、最終的には停車してしまいます。







無意味に加減速を繰り返す行為も、同じように渋滞を引き起こします。


押しては返す波のように、速度の変化を繰り返すこの様な運転を 「波状運転」 といいます。




以上のことから、集団走行では “なるべく一定の速度とリズムでペダルを回し続ける” ことです。






同じ理由から、 減速や停車の合図をする前に足を止めないようにしましょう。


これも車の例えですが、 ブレーキを踏んでからウィンカーを出す車にイラッとしたことはありませんか?




減速や停車をする時は、まずサインや声出しをして一呼吸おいてから、 

足を止めたりブレーキをかける習慣をつけたいものです。




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このように集団走行では死角によって前方が見えにくいわけですが、

車間を開ける他に、これを少し緩和する方法があります。



それは一列に並ぶ集団を 少しずつ交互にずらす方法です。

言葉で書くとわかりにくいですが、具体的には下図の要領です。




集団走行




一台ずつ交互にずれているのが おわかりでしょうか?


こうすることによって前方が少し見えやすくなり、

万一の追突も より起こりにくくなります。



ただし、あまり大きくずれると他の交通に迷惑をかけますし、

特に幅の狭い道路や、交通量の多いところでは自重した方がよいでしょう。







次に交通量の多い道路を10台以上で走る時、

車列が長くなると、車がなかなか追い越せなくて停滞させてしまいますね。



そこで おおよそ5台ずつ毎に班をつくって間隔を開け、

車が追い越しやすくすると、交通がスムーズになります。




特に集団走行になれている人は車列が長いと感じたら、

率先して前と間隔を開けて下さいね。



間隔の目安は、およそ車3台分くらいですが、

あまりこだわらずに状況に合わせて対応するのがベターです。




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それから前方に停車車両や歩行者などがいて それを避ける時。

前の人から右に寄るように合図があります。
 (子供の写真で申し訳ありません ^^;)




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このような時にうしろから車が来たら、追い越しをやめなければなりません。


前から避ける合図、うしろから 「後車」 の合図が同時に出された場合、

もちろん、後車の合図が優先されます。







そしてもうひとつ、前の人からはうしろの状況がわかりません。

たとえバックミラーを装備していても、集団走行では1~2台うしろしか見えません。




そこであなたが1グループの最後尾を走っていたとします。



前方に障害物があって、右に寄れの合図が出そうだなと思ったら、

ミラーや目視で後方確認し、何も来ていない場合は



「後ろOK~!」



などと合図してあげると、スムーズに追い越しが出来ます。


もちろん初級編で触れたように、 前方不注視になるほど振り向いてはいけません。

あくまで余裕を持って出来る人のみのテクニックです。




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また、道路外から飛び出して来そうな車に掌で停車のアピールをしたり、

長い車列を苦労して追い越していく車に手をあげて謝意を示すなど、


余裕があれば他の交通への配慮も忘れずに。






こまかい事を言えば、まだまだ色々あるのですが、

今回ふれたのは全て、集団の中も外も含めて 周りに配慮する

というのがポイントになります。




集団走行になれてきて周りを見る余裕が出てきたら、

是非これらを実践してみて下さい。







そして次回はイベントなどで集団走行をコントロールする

“管理編” について紹介したいと思います。









集団走行を安全に楽しむために (初級編)


イベントや仲間内のサイクリングに参加すると、必ず集団走行する機会がありますね。

今回はそんな集団走行についての諸注意をまとめてみたいと思います。




自転車のメンテナンスや乗り方、ルール・マナー本は数あれど、

意外な事に集団走行に言及しているものは、ほとんど無いように思います。




瀬戸内サイクルメディアでは、民間のサークル 呉ポタリング倶楽部 で数年間培ってきたノウハウを活かし、

イベントでの集団走行を出来るだけ安全に行う工夫と研究を現在も続けています。




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今回はそんな集団走行のノウハウを 初級編 と銘打って紹介したいと思います。




一応、お断りしておきますが、 これから紹介するノウハウは現時点のものであり、

日々様々な経験や環境の変化において、常に進化・工夫を繰り返しています。


ですので、決して確立されているモノではなく、発展途上であることをご理解いただければ幸いです。






【 準備 】



まず最初に大切なのは準備です。




準備? なんの?

と多くの方が思われることでしょう。




我々が企画するイベントは、ビックイベントから極々身内のサイクリングまで、

必ず参加条件に明記する一文があります。


“ヘルメット・グローブ・その他予備チューブなど最低限の装備必要”




これらはどれも自分を守るものでありますが、

その本意は 同行者に迷惑をかけない ことにあります。



もっとわかりやすく言えば、自分の身は自分で守りましょう ということです。






具体的な例をあげると、 参加者が落車や事故で頭部を打った時、

ヘルメットをかぶっていれば、甚大なダメージを防げる確率がグッと上がります。



が、もしかぶっていなくて意識不明などになった時、

同行者は全力で対応してくれるでしょうが、サイクリングの継続はまず出来なくなります。






機材トラブルも同じで、日ごろから整備・清掃と携行品を充実させていれば、

マイナートラブルのほとんどが防げます。




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パンク修理すら出来なくとも、予備チューブや工具などを持っていれば、

スキルのある同行者がいる場合は対応してくれるでしょう。


不幸にしてパンクが相次いで手持ちの予備チューブが無くなっても、

同行者に同サイズの人がいれば、売ってもらったりも可能です。




ですが整備不良による故障などで、現地で復旧できない場合、

同行者を長時間足止めすることになります。




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 (※画像はイメージです)





もちろん、ケガにしても故障にしても、

同行者は迷惑と感じるよりも、一所懸命協力してくれるでしょう。



ですが、未然に防げること、 用意できることはやっておくのが、

集団走行でのマナーであり、円滑な運行につながるのです。



メンテナンスの知識が無くても、ショップに依頼すれば済みますし、

携行品についても詳しい人の助言を受ければ用意できるハズです。



体調管理や装備も含めて、準備はしっかりと行いましょう。







【 走行上の注意 】




交通ルール・マナーを守り、集団走行の和を乱さないこと。


これは言われなくても、ほとんど誰もが心がけることだと思います。





集団走行で最も危険な要因は、 直前の人が死角になって、

前が見えにくいことです。




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 (※画像はイメージです)




つまり、前方の状況を認識するのが遅れがちになり、

判断、操作もそれに付随して遅れることになります。




そこで大切なポイントは、

①車間をつめないこと



車間を開けることによって、前方の状況判断が容易になり、

運転操作に余裕ができます。



特に下りではスピードが乗るので、より十分な車間距離が必要となります。






②絶対に“後ろを振り向かない”こと



数秒間 目を離したスキに前車が減速したり、停車する場合があります。

一台の追突が、数台の後続を巻き込みます。


必要以上の振り向きは命取りと心得て下さい。






集団走行の基本は、まずこのふたつのポイントを守ることです。










【 サイン・声だし 】




集団走行で最も危険なのは、前車で前が見えにくいことと言いました。

後ろを振り向くのが危険であるとも。



そこで効力を発揮するのが、サインと声出しです。





サインや声出しのやり方は、地域やチームによって微妙に違う場合がありますが、

大体において以下の場合に使われます。



右左折、 減速、 停車、 路面・落下物注意、

 停車車両や歩行者など、 狭い道での対向車、追い越し車あり、 etc・・





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ひとつひとつの具体的な解説はあえてここではしませんが、

ネットで調べてもらえば色々ヒットすると思いますし、

SCMのイベントに参加してもらえば、実際に体験していただけます。





集団走行に慣れていない人は何だか難しそうに感じられるかもしれませんが、

やってみれば誰でもすぐに実行出来るものばかりです。





とは言っても、いきなり全部は覚えられないでしょうし、

最初から全て出来る必要はありません。



とりあえずサインの出し方が上手な人を ムリの無い範囲で真似てみて、

わからないことは知っている人に聞く。



何回かそれを繰り返すうち、自然に身についていきます。






ですが、とっさの場合や、怖くて手が離せない時もあるでしょう。

安全の為のハンドサインを出して事故に遭ったらシャレにもなりません。





そんな時は代わりに大きな声で伝えましょう。

“右に曲がりま~す。”  “停まりま~す!”

 みたいにね。


言い方に特に決まりはありませんが、肝心なのは “伝わればいい” のです。





安全性を考えれば、サインよりも 声出しの方が重要 と言えます。








次に、せっかく人がサインや声出しをしているのに、それをつなげなくては意味がありません。



自分ひとりがやらなくても伝わっているだろう・・  

というのは絶対にダメです。




恥ずかしながら私には、明らかに後ろがわかっているだろう・・ という判断でサインを出さず、

後続が大事故になりかけた経験が二度もあります。




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大丈夫だろう・・  と手を抜いてケガや破損につながっては大変ですが、

かもしれない・・  とサインや声出しして何もなくても、誰にも迷惑はかからないのです。







それから、人間にはミスや見落としが必ずあります。


前の人がサインや声出しをしなくても、自分が危険に気づいたら率先して実行しましょう。

そうする事によって一層安全性が上がります。




また、サインや声出しは、出すタイミングが遅くては何にもなりません。

早め早めに出すようにしましょう。




そして前後からのサインには必ず従う事。

必要を感じたら返事をするのも有効です。




ともかく、サイン・声出しについては、

安全を人任せにせず、キチッとつなぐ事が最も重要です。







その他のポイントとしては、


路面の傷みや段差、落下物などへの注意ですが、

最も注意すべきは縦方向の溝や段差です。




このような部分には近づかないのが懸命ですね。




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それから見通しの悪いカーブや、坂の頂上付近で右に寄りすぎないこと。


対向車は普通車だけではありません。

トラックやバスなど、大型車がふくらんで来る場合があります。




もちろん、このような場所で追い越しをするのは大変危険です。




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あと大事なのが自分のペースを守る事。



オーバーペースは体力がもたないだけでなく、

疲労によって判断力が低下し、 思わぬ故障やアクシデントにつながります。




道路状況によっては一時的に置いていかれることもあるかもしれませんが、

必ず分岐や待ち合わせポイントで待っていてくれますので安心して下さい。





もし体調や機材に不調が生じたら、早めに申告しましょう。


同行者に迷惑をかけまいと思ってガマンしていると、

より深刻な結果になることがあります。






集団走行で必要なこと、 役に立つこと、

初級編はこのくらいにして、次回は中級編に続きます。






不思議な装備品、“ベル”


道路交通法で自転車に装備が義務付けられている諸々シリーズ。





第一弾は 「フロントライト(前照灯)について」
http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-21.html


第二弾は 「テールライト・リフレクターについて」
http://cyclemedia.blog.fc2.com/blog-entry-22.html






最終回の今回は、いよいよ(?)

使わないのに装備が義務付けられている不思議な部品、「ベル」 についてです。(笑)






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ベル、正しくは警音器ですが、 これが法律で装着が義務付けられていることを

いまだに知らない人がたくさんいらっしゃいます。



また、知っているのに着けてない人も。






道路交通法によると、


自転車のベルは、警音器であり、
 自動車のクラクションに相当するものである。

「警笛鳴らせ」の道路標識がある場所では、
      ベルを鳴らさなければならない。




 早い話が、自動車の警音器に関する法律を

 そのまま自転車にも適用しているってことです。





んで、道路標識により「警笛区間」に指定された道路の区間を通行する場合には、

見通しのきかない交差点、曲がり角、上り坂の頂上等を通る際に、

            “都度ベルを鳴らさなければならない。”









これって車のクラクションならフムフム・・ と納得するところですが、

自転車のベルがこれらの場所で、対向して来る車に聞こえるハズがないですよね。(苦笑)




まぁ、対向車が自転車だったり、歩行者には聞こえる程度で、

あまり意味があるとは思えません。







そして次に続く文章が、更なる無意味さを後押しします。



それ以外には、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、
   ベルを鳴らしてはならない。






これも車のクラクションなら、納得の内容。


でも何も知らない人が一番使うのは、歩行者に対してじゃないでしょうか?



もちろん、「どけどけっ!」 って感じで鳴らすのは法律以前に感じ悪いですが、

「通りま~す」 程度に鳴らすのは個人的にアリだと思うんですケド。


私が歩行者でも鳴らして欲しいし、 「鳴らせばいいじゃん」 と言われたこともあります。





でも現実には法律で禁止されているので、上記のような場合は声をかけています。


「すみません、通りま~す。」 もいいんですが、

「こんにちは~。」 「おはようございま~す。」 などなど、


挨拶メインに声かけすると、特に気持ちよく存在を認識してもらえるようです。




そう、念のためですが、声かけをするのは避けてもらうためではなく、

自転車が通ることを認識してもらうことにあります。


存在を認識してもらうことにより、衝突や接触の危険性を下げるのが目的ですね。







さて、話を戻しますが、自転車の走行において、

“危険を防止するためやむを得ない場合”

  とは、どんな場合でしょう?





見通しの悪いカーブや交差点、あるいは物陰から車や歩行者などが飛び出してきた、

何らかの原因で車や歩行者と接触しそうになった、


私が警察署に問い合わせた時は、 下り坂でブレーキが効かなくなった時を挙げられましたが・・





「あっ、危ない!」

“チ~~~ンンン・・♪”





役に立ちますか? (。´・ω・)ん?


てか、それ以前に、

 そんな状況でベル鳴らす余裕がありますか? (爆)





どうせ車には聞こえないので、対象は他の自転車や歩行者ということになりますが、

いずれの状況でも、叫んだ方が はるかに早いし確実ですよね。





すると警察の方は、 「カゼなどで声が出ない時や、元々しゃべれない人もいらっしゃいますから。」



いや、それ、どんだけレアな存在なんですか!(爆)







ともかく、 使えないのに装備が義務付けられている不思議な部品とは、

上記の説明でおわかりいただけると思います。



結局、道路交通法の中で、自動車の警音器に関する法律を

そのまま右に習えで適用しているところに全ての元凶があります。




このことは右左折の手信号にも言えることで、

曲がり始める手前から、曲がり終えるまで手信号を出し続けなければならないとありますが、


そうすると右左折の間中、常に片手運転という矛盾が生じるだけでなく、

現実に危険極まりない行為です。




これも自動車のウィンカーに関する法律を

自転車にも右に習えで適用したことが原因です。





自転車をとりまく環境は、道路整備の事情だけではなく、

こうした法整備にも改善を求められなければなりません。





ちなみに前述の私が相談させていただいた警察の方は、

法律がある以上、それの遵守を指導する立場にある前提で、

非常に真摯かつ丁寧に回答いただいております。

私がピックアップした部分の表現だけで誤解のありませんよう、お願いします。







さて、意味が無くても着けなければならないベル。

役に立たなくても装着を怠ると、立派な整備不良車です。


事故や違反、あるいは職質でベルの確認をされたという話も実際に聞いております。




まっとうな自転車乗りを自負する方はもとより、

サークルやチームに所属している方は、自分だけの問題ではありません。


あなた一人の行いが、全ての自転車乗りを代表しているという自覚を是非お持ちください。








とはいえ、余計な部品は やはり ジャマ! ですよね。 ^^;

  よくわかります。



しかもまだまだ装着率は低く、種類もあまり無いので、

なかなか思うモノがありません。



なので私は、なるべく小さいモノを着けています。




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しかもこの着け方だと、前から見た時にベルが見えず、

空気抵抗もありません。




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で、使わないベルをちゃんと装備しつつ、もっと有効なアイテムも使っています。


それは “熊鈴”




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私は中国山地などの熊エリアにもツーリングに出かけ、

近場でもイノシシやその他の野生動物に遭遇することがあります。



それで必要に迫られて買ったモノなのですが、

これが市街地での歩行者にも超効果的。



声かけなどしなくても、勝手に気づいてくれます。

これは嬉しい副産物でした。(^^)




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普段使いに重宝しているのが、釣竿の先に着ける鈴。

魚がかかると振動で鳴るアレです。




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これなら熊鈴よりも小型軽量で場所もとらず、

ブレーキのアウターケーブルなど、どこにでもつけられます。



目立たないのもグー♪




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ミニベロには音色のいい、モンベルの熊鈴をつけてます。

まるで風鈴のような心地いい音色は、仲間からも好評です。




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フレームの構造を利用して、直接取り付けたので見た目もバッチリ。

KHSオーナーの皆さん、是非真似して下さいね。( ´艸`)ププッ




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使うことの無いベルなんかより、 ずっと効果的で実質的な鈴。

オシャレなモノもたくさんありますので、是非色々試して下さいね。







というわけで三回に渡って特集してきた ライト、リフレクター、ベル。

それぞれ思うところはおありでしょうが、法律で決められた装備はキチンと正しく着けましょう。



そして知らない人には是非教えてあげて下さいね。

胸を張れるカッコいい自転車乗りに、みんなでなりましょう~。 (^^)